No.671:夏の3週間北海道ドライブ・12日目
決行日 天気 訪問局店数 交通手段 スタート地 ゴール地
2024.08.07(水) 曇り 25 北進簡易局 茶内局
 道東の旅も釧路を過ぎるといよいよ東の果て、という感じになってきます。ここから根室まではまだまだ遠いんですが。
 今日は釧路から厚岸まで移動する予定です。局間距離が長いところが多いので、局数はあまり伸びない予定。
 それでも、山から海へと、風光明媚な景色、というか、手付かずの大自然の中をのんびりと進み、独特な郵便局たちを訪問します。
 阿寒IC~白糠IC 14.0キロ・普通車0円

   
国鉄白糠線は1983年廃止。橋梁上に生えた木が、その年月を物語ります。
1 09:04 北進簡易郵便局 ほくしん 北海道白糠郡白糠町

 釧路駅前の宿から、西へと向かいます。
 給油をして、山間部のドライブに備えます。
 今日は給油所も少ないような地域ばかりを走ります。
 阿寒まで抜けて道東道の無料区間を白糠インターまで。
 人家もない、走る車もない国道392号を北上します。
 目につくのは国鉄白糠線の廃線跡で、立派な橋が川に架かります。
 その白糠線の終点だった北進駅のあった小さな集落に局。
 当時から民家も少なかっただろう集落は、現在も民家が数軒あるのみ。
 局内には白糠線関連の展示があり、記念小型印もありました。

2 09:20 縫別簡易郵便局 ぬいべつ 北海道白糠郡白糠町

 国道392号をしばらく南下していきます。
 白糠方面、といっても、ここも同じ白糠町内です。
 よくここに鉄道を通そうと思ったよな…。
 白糠インターまで戻り、その先に局はありました。
 縫別自然の家、という廃校を活用した施設があります。
 こちらは北進以上に民家が周囲にないようです。
 一体どんな需要があるのかと思ってしまいますが、貴重な局です。
 こういう局が、これからも生き残ってくれることを祈ります。
 こちらでも、白糠線の小型印を押印してもらいました。

3 09:31 茶路簡易郵便局 ちゃろ 北海道白糠郡白糠町

 国道を白糠方面に向かうと、鍛高という集落に。
 赤しその畑が広がる光景を見て、納得します。
 あのしそ焼酎、鍛高譚の生まれた場所ですね。
 こんなに何もないところが、全国区の商品を送り出しているなんて。
 感動しながら進むと、旧特定局らしい局舎が出てきました。
 1996年に茶路局から簡易局になっているんですね。
 当時の郵便貯金の看板も、もうほとんど見ることはなくなりました。
 ここまで3局連続、小型印設置のレア簡易局が続きました。
 このあたりの局は完訪し、ここからは阿寒まで移動します。

   
しそ焼酎鍛高譚は、こんなところで生まれたんですね。
 白糠IC~阿寒IC 14.0キロ・普通車0円
4 10:02 阿寒郵便局 あかん 北海道釧路市

 縫別簡易局のあたりまで戻り、道東道に入ります。
 山あいの無料区間で、交通量も多くはないです。
 ただ、田舎の高速道路は固まって来るので注意です。
 車がいないタイミングで合流できたのは良かったと思います。
 現在の終点、阿寒インターから国道240号に入ります。
 阿寒町中心部に向けて北に進むと局はありました。
 集配局らしい大きな局舎で、頑丈そうな建物です。
 2005年までは阿寒町の中心地だった場所。
 釧路市になって、このあたりは一層寂しくなったことでしょう。

5 10:19 布伏内郵便局 ふぶしない 北海道釧路市

 道道222号に入り、北へと進んでいきます。
 山あいを進む道で、人家も少ない場所です。
 しかし不思議と開けた感じの場所が続きます。
 それもそのはず、雄別炭鉱へと続く道のりの途中の集落でした。
 局があるのは、かつての古潭駅前。
 突き当たりの道が鉄道の廃線跡になっています。
 そんなこともあり、雄鉄の廃線に関する記念小型印がありました。
 この先、雄別炭鉱方面には、今はもう郵便局はありません。
 炭鉱の閉山で、集落はまるごと廃村になっています。

6 10:37 仁々志別簡易郵便局 ににしべつ 北海道釧路市

 どこに向かうにも遠い、郵便局希薄地帯です。
 つまりそれは、人口希薄地帯ということになります。
 スマホも圏外になりがちで、人の気配はありません。
 さて、急に現れたのが国道274号で、ここから東に向かいます。
 この国道は、この西、白糠町の北進までは未供用区間。
 山を越えて道道666号を南下すると局はありました。
 多目的センターの建物に入居している局でした。
 貯金をしたら、ラップを頂きました。ありがとうございます。
 それにしても静かな集落で、民家も疎らなところです。

7 10:52 幌呂郵便局 ほろろ 北海道阿寒郡鶴居村

 2006年までは仁々志別郵便局があったそうです。
 道道沿いにそれらしい建物も残されていました。
 特定局を置いておけるほどの需要はないと判断されたんでしょうね。
 正直、簡易局があることすら、サービスでしかないでしょうし。
 仁々志別からは南を迂回して北東に向かいます。
 少し雨が降って来たのが不安ですが、幌呂の集落に到着。
 小中学校にAコープまである、そこそこまとまった集落。
 局舎も大きめで、集配局になっていました。
 鶴居村は自治体としては小さいですが、潤っているのでしょうか。

8 11:07 鶴居郵便局 つるい 北海道阿寒郡鶴居村

 道道829号に入り、さらに北東に向かいます。
 幌呂原野鶴居線、ってすごい名前の道。
 このあたりの道道は、原野系が多いですね。
 鶴居村の中心地に入りました。
 やはり村の中心地なので、いろいろなものがまとまっています。
 ホテルやカフェや蕎麦屋なんかもあるみたいです。
 こちらの局も集配局で、村内の2局とも集配局でした。
 鶴居村の局をあっという間に完訪しました。
 広い自治体だからこそ、完訪するとほっとしますね。

9 11:17 久著呂簡易郵便局 くちょろ 北海道川上郡標茶町

 道道53号を一気に北に進んでいきました。
 たんちょう舞ろーど、なる愛称があるみたいです。
 確かに景色は単調だけど、そこまでディスらなくても。
 って、そっちのタンチョウじゃなーい!ってね。
 国道274号に出て東に進むと、標茶町に入ってすぐに局。
 久著路郵便局と下久著路簡易局の歴史が絡んでいます。
 調べてみても経緯が複雑すぎて分からなくなります。
 さらに路の字が呂に変わったり、自治体を跨いでいたりと。
 でも局の方は神奈川に縁があり、その話になりました。

10 11:34 上オソツベツ簡易郵便局 かみおそつべつ 北海道川上郡標茶町

 局間距離がどんどん開いていきます。
 人家のない、まさに原野のようなところを走ります。
 車は少ないんですが、ゆっくり走る車も多いです。
 それだけ取り締まりも多いんでしょう、気を付けて進みます。
 道道53号を北に進んでいくと、いきなり局がありました。
 周囲に人家が見当たらない寂しい立地です。
 ここにどんな需要があるのかと思ってしまうほどなんですが。
 きっと、周辺から車で来局する、貴重な金融機関でしょうね。
 このあたりの局は、どこも北海道らしい局名で素敵です。

11 11:53 磯分内郵便局 いそぶんない 北海道川上郡標茶町

 オソツベツは御卒別と書くようで、看板がありました。
 上オソツベツは、上オソ、と略すみたいですね。
 そうそう、数年前に世間を騒がせたヒグマ、OSO18、のオソです。
 下オソツベツで初めての被害が出たことに由来するとか。
 ひええ、怖い怖い、と思いながら東に向かいます。
 やっとのことで国道391号に出ました。
 JR釧網本線磯分内駅のある集落の、国道沿いに局はありました。
 2007年に集配廃止されているので、大きな局舎でした。
 鉄道のある集落だと、やはり少し賑わいを感じます。

12 12:09 標茶郵便局 しべちゃ 北海道川上郡標茶町

 そういう意味では、鉄道の存在はやっぱり偉大です。
 国道391号を、牛乳のトラックと一緒に南下します。
 いや、ミルクタンクローリーとでも言うんでしょうか。
 あんなでかいタンクに牛乳を積んで走っているとか。
 本州じゃ考えられないような光景なんですよね。
 釧路川を渡って標茶駅付近の市街地に入りました。
 標茶の街はけっこう大きくて、市街地にはお店も多くありました。
 郵便局も大きく、もちろん集配局でした。
 ずっと昔、標茶駅で列車を降りて、局まで来たことがあります。

13 12:35 塘路郵便局 とうろ 北海道川上郡標茶町

 その当時は青春18きっぷ旅をしていたんでした。
 しかし郵便局巡りには目覚めておらず、ハガキでも買ったんでしょう。
 もう20年以上は前の話になるんでしょうかね。
 その時に宿泊したのが、塘路のユースホステルだったはずです。
 最終列車を見送るという儀式があって、印象深いです。
 標茶から塘路まではけっこう遠くて、国道をひたすら南下。
 国道を離れた、まさに釧路湿原の中の集落に局。
 当時の記憶を辿ることはできませんが、なぜか懐かしい気持ちに。
 あの日に泊まったユースホステルは、もうないようでした。

14 12:55 遠矢郵便局 とおや 北海道釧路郡釧路町

 ユースホステル、というシステム自体が、時代に合わないんでしょう。
 ドミトリーという形は、コロナ禍で追い討ちをかけたでしょう。
 ちゃんと個室に泊まれる収入がる現在は、選択肢になりませんし。
 そうして業態を変えていったユースもあるでしょう。
 もちろん、廃業してしまったユースも多いでしょう。
 そんなことを思いながら、国道を南下します。
 途中、少し東に阿歴内簡易郵便局がありますが、貯金非扱い。
 国道を進んだ先に局はありました。
 釧路市街地も近付いた、お洒落な集配局の局舎でした。

15 13:07 別保郵便局 べっぽ 北海道釧路郡釧路町

 釧路町内の局をいくつか訪問します。
 昨日訪問できていないところを拾う形になります。
 天寧簡易郵便局は訪問しているので、その東側を南下。
 うまい具合に釧路町役場の横に抜けました。
 というか、釧路町役場って別保にあったんですね。
 もっと釧路市街地に近い場所にあるのかと思っていました。
 人口バランスでいえば、このあたりということでしょうか。
 国道沿いにある局はコンビニ型でまだ新しそうです。
 こういう局舎の方が、やはり利用しやすいんですよね。

16 13:23 昆布森郵便局 こんぶもり 北海道釧路郡釧路町

 さて、国道44号をしばらく東に進んでいきます。
 この先は山がちになる感じです。
 峠道というほどではないですが、釧路市街地は背後に。
 さらに道道1128号を南下し、海沿いの142号を東へ。
 高規格な道路で昆布森の集落に入りました。
 海霧というのか、霧が広がって見通しが悪いです。
 そんな昆布森の集落の中を進むと局はありました。
 道道から少し入った小学校の隣です。
 お洒落で大きく立派な局舎なので、見落とすことはなさそう。

17 13:46 上尾幌郵便局 かみおぼろ 北海道厚岸郡厚岸町

 来た道を戻って国道44号に出るのが近道のようです。
 しばらく国道を走りますが、交通量はそこそこ。
 この区間は高速道路が開通していません。
 根室まで高速を繋ぐ予定はあるようで、工事も進んでいる様子。
 途中で道道1128号を北上します。
 この道は昆布森から国道を介して繋がる厚岸昆布森線です。
 JR上尾幌駅前に出ると局はありました。
 なぜこんなところに集落が、という場所に集落が広がっています。
 精進湖の民宿村を思い出してしまうような立地です。

18 14:00 尾幌郵便局 おぼろ 北海道厚岸郡厚岸町

 上尾幌からは厚岸町に入っていました。
 今夜の宿は厚岸なので、安心して残り時間訪問できます。
 国道44号に戻り、根室方面に向かいます。
 しばらくのんびり国道ドライブをすると、尾幌の集落に。
 わき道である道道142号を南下したところに局はありました。
 海にも近い集落で、国道沿いなのでまとまった民家があります。
 それから、セブンイレブンもあるのには驚きました。
 セブンイレブンがあるってだけで、大きな集落だと思います。
 この先も幹線国道沿いなので、そういう集落が多そうです。

19 14:13 門静簡易郵便局 もんしず 北海道厚岸郡厚岸町

 国道はわりと交通量もあり、寂しくはないですね。
 それでも北海道らしい景色の中を進みます。
 JR根室本線の線路と沿って東に向かっていきます。
 この区間は特急の走らない末端区間。
 列車がやって来る、なんていうことは絶対にないでしょう。
 門静駅を過ぎ、国道を離れて海沿いの道へ。
 人家の疎らな小さな集落に局はありました。
 いかにも簡易局、といった風情が素敵だと思いました。
 局を出たところで、踏切の音が聞こえていました。

20 14:28 釧路太田郵便局 くしろおおた 北海道厚岸郡厚岸町

 踏切の音の正体は、そう、根室行きの列車です。
 門静駅を14時14分に出た列車が走っていきました。
 いや、1日数本の列車を見られるという奇跡。
 今度は列車旅をしたいな、と思った瞬間でした。
 どうか、次に来るときにも鉄路が残されたいることを祈って。
 国道を走っていると、眼下を走る列車が見えました。
 厚岸の市街地の手前で左折し、道道14号を進むと局。
 海沿いのイメージの厚岸ですが、内陸部の農地の広がるエリアです。
 局名に旧国名の釧路が冠せられているのも素敵ですね。

21 14:41 厚岸郵便局 あっけし 北海道厚岸郡厚岸町

 道道14号を南に進み、厚岸市街地に向かいます。
 厚岸標茶線という、道東の2町を結ぶ主要地方道。
 かなりローカルですが、14号を名乗っているのは注目です。
 国道44号を少し経由して、道道123号で中心部へ。
 JR厚岸駅の裏手から厚岸町役場付近に出ると局。
 わりとまとまった市街地で、この町の人口は8,000人超。
 大きな局舎は集配局で、集配の車が出入りしていました。
 向かいには海事記念館というものもありました。
 漁業についての展示があるというのは、ちょっと興味深いです。

22 15:06 本厚岸郵便局 もとあっけし 北海道厚岸郡厚岸町

 厚岸大橋で厚岸湾、厚岸湖の対岸へと渡ります。
 橋の開通前は、日本道路公団のフェリーがあったとか。
 厚岸は言わずと知れた牡蠣の町。
 この近くにも気になるオイスターバーがあります。
 牡蠣島弁天神社を左手に、南側の集落に入ります。
 局は右手にありましたが、けっこう混雑していました。
 この局の訪問前に、厚岸神社と郷土館を訪問していました。
 様似でも登場した、蝦夷三官寺巡りスタンプラリーの一環です。
 途中には2001年移転前の旧局舎もありました。

 
旧本厚岸郵便局は、1962年までは厚岸郵便局だったそう。町の中心地はこちらだったんですね。
23 15:16 床潭郵便局 とこたん 北海道厚岸郡厚岸町

 道道123号別海厚岸線を南東に進んでいきます。
 国道44号交点から厚岸大橋を経ている道道ですが、100番台。
 実は北海道は主要地方道が多く、151号までが主要地方道。
 よって100番台のこの道も、主要地方道です。
 北海道初の海上橋、その前は道路公団も関わったこの道。
 一般道道なわけはないんですよね、よく考えたら。
 道道955に入り、南下していくと床潭の集落に局はありました。
 床潭の浜辺は、広い砂利地になっていて、昆布干し場になっています。
 航空写真で見ても、かなり広い浜になっているのがわかります。

24 15:39 糸魚沢簡易郵便局 いといざわ 北海道厚岸郡厚岸町

 道内を走っていると、昆布干し場はけっこうありますね。
 静内のあたりからそういうところが多かったです。
 ただ、床潭の浜はそれらよりもかなり大規模です。
 さて、この先の火散布簡易局は15時までの営業です。
 今日はもう閉店しているので、北に向かいます。
 厚岸大橋を渡ってコンキリエのところから国道44号を根室方面へ。
 原野のような湿原の中を走っていくと局は右手にありました。
 特定局の見た目ですが、簡易局になったのは1987年のこと。
 近くにあったJR糸魚沢駅も2022年に廃止されています。

25 15:51 茶内郵便局 ちゃない 北海道厚岸郡浜中町

 さらに何もないところをひたすら走っていきます。
 のんびりと走って、浜中町に入ります。
 浜中町に入るとすぐに茶内の集落が出てきます。
 セイコーマートのところを曲がって、道道506号を進むと局。
 小中学校に駐在所、スーパーもある大きな集落です。
 局も集配局で比較的大きなものでした。
 この局で16時少し前となったので、今日はここまでにします。
 ものすごくがんばっても、次の局は着きません。
 それが道東の広さ、そして局間距離の長さだと悟りました。

   
   
霧多布岬は文字通り霧の海。厚岸の宿に泊まり、牡蠣を満喫。一晩で何個食べたんだろう。
 霧多布岬に向かうと、そこは一面の霧の世界でした。霧の中を進むとエゾシカの親子がいて、やっと写真が撮れました。
 霧の中を厚岸に戻り、予約していた宿に入ります。1泊1万円を切る値段でこの料理をいただけるのはすごすぎる、と思いました。
 道東の旅もいよいよ東の果て、根室が近付いてきました。すっきりとした天気に恵まれませんが、旅は続きます。

 

 

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